『ヴァトレニ―クロアチアの炎に―』がグランプリに!!観客賞は『審判 ~ピッチ上の、もうひとつのチーム』が獲得

『ヴァトレニ―クロアチアの炎に―』がグランプリに輝く!!
観客賞は『審判 ~ピッチ上の、もうひとつのチーム』が獲得

ヨコハマ・フットボール映画祭では立ちあげの2011年から2015年まで、優れたサッカー映画への贈賞を行っていました。
その後、運営体制の変化に伴い、2016年からは来場者による観客賞のみを実施してまりました。

ただ、『ドーハ1993+』(植田朝日監督)の製作をサポートし、『蹴る』(中村和彦監督)の劇場配給を行う中で、賞のありがたみに気づくことになりました。
たくさんの作品が生み出され、また同時に情報が過剰に溢れる中で、映画祭で上映するだけでは、いかに素晴らしい作品であっても埋もれてしまう、またクリエーターの功績を讃えるには不十分であると。

今回、10回目の開催を記念して贈賞を復活させることにしました。
審査にあたっては、映画祭にゆかりの深い5名の方々にご協力いただき、オンライン会議システムを通じた審査会にご参加いただきました。
審査会は、和やかな雰囲気の中、1月の映画祭で上映されたサッカー映画9作品について、審査員がそれぞれに感想を述べあう形で進められ、最終的に投票により決定いたしましました。

ヨコハマ・フットボール映画祭では、今後も、サッカー映画の鑑賞機会を提供することで、サッカーの素晴らしさの発信とサッカーを通じた相互理解に貢献してまいります。

YFFFアワード2020 審査員 (50音順)

宇都宮徹壱

写真家・ノンフィクションライター (第10回ミズノスポーツライター賞最優秀賞 『フットボールの犬』、サッカー本大賞2017 『サッカーおくのほそ道』)

小池純輝

プロサッカー選手 東京ヴェルディ所属  F-connect代表  日本プロサッカー選手会 副会長

永岡真理

電動車椅子サッカー日本代表 マルハン所属

堀 春菜

俳優 ヨコハマ・フットボール映画祭2015グランプリ『ガンバレとかうるせぇ』主演、 第10回田辺・弁慶映画祭 女優賞(映画『空(カラ)の味』)

村井 満

公益社団法人日本プロサッカーリーグ チェアマン

YFFFアワード2020 受賞リスト

グランプリ

『ヴァトレニ -クロアチアの炎-』
監督:エドソン・ラミレス

審査員特別賞

『ZG80 -だからアウェイはやめられない-』
監督:イゴール・セレギ

ベストチーム賞

1988-89 アーセナルFC
『89』

ベストプレイヤー賞

タフィー・アンダーソン
『レゲエ・ボーイズ』

ベストサポーター賞

マレク・フィシェルとFCズブロヨフカ・ブルノのサポーター『スタディオン』

ヤングホープ賞

齊藤未月
『追憶のルブリン ~キャプテンの葛藤と責任~』

観客賞

『審判 ~ピッチ上の、もうひとつのチーム』
監督:石井紘人

受賞コメントと講評

グランプリ
『ヴァトレニ ‐クロアチアの炎‐』
Grand Prix “Vatreni”
撮影:浅野里美

■受賞コメント
ミロスラフ・ブラジェヴィッチ Jr.
(エグゼクティブ・プロデューサー)

素晴らしいニュースをいただきありがとうございます。親愛なる日本の皆様にグランプリに選んでいただき、とても光栄に思います。
(来日した際の)皆さんの寛大で真摯な対応、誠実さ、時間厳守の姿勢にたいへん感銘をうけました。クロアチアという国、そして我が国がスポーツで挙げた成功に対する日本の皆さんのリスペクトとサポートを、心から誇りに思います。

全てがコロナウイルスの影響下にある今のような状況では、思いやりの精神を持っているか否かが問われると思います。人類の歴史で母なる自然が何を教えてくれたのかという、基本的なことにも立ち返るべき時かもしれません。
全ての人が責任ある主体として自らの立ち位置を再度見直し、自分、友人、家族、そして環境と向き合う姿勢を考える必要があると思います。

■講評

小池  1998年のワールドカップフランス大会の躍進で、当時小学生だった僕はクロアチアを知りました。難しいテーマの作品だったが、独立問題をはじめとするさまざまな背景、そして当時の選手たちが背負っていたものの重さがわかり、自分自身のサッカーとの向き合い方を改めて考えさせられました。

宇都宮  1998年のワールドカップでは、日本と同グループだったこともあって、個人的には思い入れのある国です。フランス大会の代表メンバーがさまざまなフィールドで活躍しているのを知っていると、良い年齢の重ね方をしてきた22年間の歩みを俯瞰して見ることもでき、非常に見応えがある作品でした。

  ポスターに惹かれ、最初に見た映画です。サッカーに政治や宗教、戦争などが関わり合ってているという当たり前のことに衝撃を受けました。映画を通じて当時のクロアチアのことを見せてもらったような印象を受け、サッカー映画の凄さも感じました。

永岡  一番記憶に残る作品。ユーゴスラビア圏の歴史についてはあまり知りませんでしたが、サッカーがきっかけで国同士の争いを大きくしてしまう一方で、クロアチアとしてワールドカップに出場して3位に輝いた時には”ワンチーム”にもなる。双方のサッカーの姿に衝撃を受けました。

村井  ユーゴ分裂や内戦のリアルな姿が垣間見えました。選手たちが「(サッカー選手の)俺たちは、銃が持てなくて恥ずかしい』と語る場面がありました。サッカーを始めとするスポーツは、”平和の象徴”である一方で、サッカーボールが武器と同じにもなり得るという新たな側面も知ったのは、新しい発見だったと思っています。人間味あふれる監督の姿など、見どころのある良い映画だったと思います。

審査員特別賞
『ZG80 だからアウェイはやめられない』
Special Jury Prize “ZG80”

■受賞コメント
リューボ・ズディエラレヴィッチ(プロデューサー)

審査員特別賞をいただきありがとうございます!

セルビアでロケをした時、現地で100人のエキストラを雇ったんだ。現場に来た彼らは、てっきりレッドスター・ベオグラードのサポーター役だと思っていたようだが、実際はディナモ・ザグレブのサポーターグループ” BBB”役。まさか宿敵ディナモのチャントを歌うはめになるとはね(笑)。「ありえない!」と帰ろうとした人もいた。魂をギャラで売るかの苦渋の決断だったと思う。撮影現場はビミョーな雰囲気になった(笑)。でもどうにか説得することができたよ。
そんなふうに苦労した“ZG80”を日本の皆さんに見てもらえて本当にうれしいよ!僕たち制作陣にとってのサクセス・ストーリーだ。

日本とクロアチアは遠いようで、実は近い国。格闘家のミルコ・クロコップやピアニストのマキシムは日本でも有名だし、クロアチアでは俳句をたしなむ人も多い。そう…日本とクロアチアは相思相愛なんだ(笑)。

クロアチアの映画業界も今完全にストップしている。早くロックアウトが解除されて、また作品をつくりたいよ。でも、ポジティブな面もある。今後のビジネスやプロジェクトを冷静に分析するには、いい機会かもしれない。毎日静かで誰も物事を急いでいないなんて、めったにない状況だ。元の生活に戻ったら、ある意味この静けさを懐かしく思うのかもしれないね。

■講評

  コメディーですが、暴動などがあったという歴史的な背景を(映画祭上映作品の)『ヴァトレニ』を見て知っていたこともあって、とても楽しく見ることができた作品です。撮影されている絵も綺麗で、エンターテイメントとして、とても惹きつけられました。

永岡  サッカーのサポーター同士にも戦いがあって、殴り合いまでしているというのは衝撃的でした。サッカーが好きで、自分のチームを応援したいがために争いが起きる。歴史的な背景も併せて、その戦いの勢いを感じさせられました。

村井  サッカーの本質やサポーターのクラブに対する愛情を、面白おかしくコメディーにしているなと思いました。民族間の争いというのは、なかなか日本で生活しているとかけ離れている状況であると思います。彼らとは背負っているものが違うわけですし、形式だけ模倣するのはやはり良くないなと思います。

宇都宮  久々に映画を見て笑えましたし、初めてセルビアを訪れた時のことを思い出しながら見ていました。ベオグラードとザグレブの駅舎は当時と同じものを使っていましたし、当時のファッションや文化をうまく再現しているなと思いました。当時、外国人の私に対して、英語を使って親切に対応してくれたセルビアの方々が、仲間同士では汚い言葉を使って罵り合っていた。その裏表のギャップや新たな世界を発見することができたように思います。

小池  よくサッカーでは”アウェイに乗り込む”と言いますが、スタジアムの近所にある観光地を訪れ、美味しいものを食べるといったような穏やかなものだと思っていました。とてつもない覚悟を持ってスタジアムに来ている人もいたことを知り、本当に驚かされました。映画に出てくるザグレブは三浦知良選手、そしてレッドスターは鈴木隆行選手がプレーしたことがあるチーム。個人的には、両選手ともプレーしたことがあるので、身近な存在として見ることができました。

ベストチーム賞
1988-89 アーセナルFC 『89』
Best Team Award 1988-89 Arsenal FC “89”

■受賞コメント
リー・ディクソン
(エグゼクティブ・プロデューサー、88-89アーセナルFCメンバーの一人)

自分のプロ人生の中で最高の夜が日本で多くの人の琴線に触れたとは。やられたよ。

私はチームでプレーすること、働くこと、チームの一員となることが好きです。なので、この映画を製作したことは、引退後の一番の歓びでした。コンニチワ!

■受賞コメント
デイビッド・スチュワート
(監督)

ワオ!すごい。

世界で献身的なチームワークで知られる国からチームの賞をいただけるとは大変な光栄です。

映画制作というのはサッカーのようなチームスポーツです。私達チームの仕事を認めてくださった皆さんのチームに感謝いたします。

■講評

宇都宮  最終戦で優勝が決まるという試合のドラマ性はもちろん、流石フットボールの母国!という手法や取材者の選択なども含めて、うまく表現できている。ドキュメンタリーとしての完成度は一番高いと思います。

村井  2019年のJ1リーグも、最終節で横浜F・マリノスの優勝が決まるという本作と似たような状況でした。たった1試合でも、これだけたくさんのドラマがあるということを知り驚きました。今後のJリーグにも生かせる点があると思う。

ベストプレイヤー賞
タフィー・アンダーソン 『レゲエ・ボーイズ』
Best Player Award ‘Tuffy’ Anderson “REGGAE BOYZ”

■受賞コメント
ティル・シャウダー
(監督)

タフィーとそしてすべてのジャマイカ人にとって、このような賞をいただけたことは大変光栄です。
夢を諦めないというタフィーの決意と信念は平常時でも私達を刺激してくれますが、世界中が恐怖でがんじがらめになっている今、彼の気持ちとガッツは何よりも大事です。彼を認めてくださって本当にありがとうございます。

(注 タフィー選手と連絡が取れず、代わりにシャウダー監督にコメントをいただきました。)

■講評

  ジャマイカという国でないと撮れない映画だなと思いました。「命があれば希望は消えない』とか、「奴隷として来た先祖が…」といった言葉一つひとつには、文化の違いも感じました。タフィーの働いている姿や、作品の最後で、「麻薬ではなくサッカーで希望を与えたい』と話す姿には、タフィーの背負う強い想いが感じられました。

小池  1998年のワールドカップフランス大会で、ジャマイカは日本の対戦相手。中山雅史選手が、ワールドカップ日本人選手初ゴールを獲得した試合でもあり思い出深いです。ジャマイカの独特な音楽に引き寄せられるとともに、タフィーにシンパシーを感じながら楽しめて見ることができた作品です。

ベストサポーター賞
マレク・フィシェルとFCズブロヨフカ・ブルノサポーター 『スタディオン』
Best Supporter Award
Malek Scharifi and supporter of FC Zbrojovka Brno “Stadion”
撮影:浅野里美

■受賞コメント
マレク・フィシェル
(スタジアム・プロジェクト代表)

このような賞を受賞出来たことが、とても嬉しく、誇らしいです。Thank you all guys! We love you!
スタジアムの再建プロジェクトはまだまだ進行中です。スタジアムをサポーターの手で塗装しました。その他にも、このスタジアムをユースチームのトレーニングの中心施設にする構想や、地域のユース世代が公式戦を行うことに出来るようにする構想などを、現在進めています。
私たちは映画祭の3日前に訪日を決めたのですが、参加することが出来て本当に良かったと思います。
48時間のみの滞在でしたが、映画祭のスタッフ、そして観客の皆さんは素晴らしく、とても楽しかったです。最高の週末になりました!またすぐにお会いしましょう!
Stay safe! We love Japan!

■講評

村井  冒頭の荒れ果てたスタジアムから徐々にピッチが変わっていく様子が印象的。

まさにシナリオのないドラマでした。Jリーグではスタジアムの新規建設を行っていますが、スタジアムはサポーターとともに作り上げていくものだと改めて感じさせられ、感動しました。

小池 地元にサッカークラブがある喜びや、スタジアムが持つ人と人をつなげる力の存在を強く感じさせられました

ヤングホープ賞
齊藤未月  『追憶のルブリン ~キャプテンの葛藤と責任~』
Young Hope Award Mitsuki Saito
©SHONAN BELLMARE

■受賞コメント
齊藤未月
(湘南ベルマーレ/U-20 日本代表キャプテン)

この度はヤングホープ賞をいただきありがとうございます。
この作品の中でも描かれているとおり、U-20W杯では悔しい経験をしましたが、キャプテンとして何をすべきかを考えさせられた濃密な時間でした。
まだまだ僕たちは成長過程にある世代ですので、この貴重な経験を活かして、いずれ日本のサッカー界を引っ張っていく存在になれるように努力していきたいと思います。

また、現在はコロナウイルスの影響で厳しい状況が続いていますが、いちサッカー選手として世の中に感動や喜びを届けていきたいと思います。

■講評

永岡  若手選手のフレッシュな部分や、なかなか見られない部分が記録されている点は良かったと思います。強豪同士のグループに入ったときに、「強豪は強いからやりがいがある。弱いチームに勝っても嬉しくない」という影山U-20日本代表監督の言葉がありますが、選手としても、強い相手と戦ったほうが面白いですからね。
齊藤未月選手が、キャプテンとして、若いのにしっかりしている姿が印象に残りました。

小池  チームメイトの藤本寛也選手が出ていたこともあり、注目して見ていました。僕たちのときよりも恵まれた環境でプレーしていますし、才能の多い若い選手も増えてきているので楽しみだなと思います。

『調子乗り世代』と言われている同世代の選手たちのなかには、既に引退してしまった選手もいますが、少しでも長い間プレーできるように頑張っていきたいと思います。

観客賞
『審判 ~ピッチ上の、もうひとつのチーム』
Audience Award
撮影:浅野里美

■受賞コメント
石井紘人
(監督)

映画祭で『審判』を上映するにあたり、家本さんと一番意識したのは観客の皆さまへの伝わり方でした。そういった意味でも、観客賞を頂けたことは本当に嬉しいです。また、今回の企画で手応えを感じ、審判の方の声を届けるという意味で、『ジャッジリプレイ』をベースとしたJリーグ審判団のシーズンレビュー制作も考えております。

『審判』は撮影から編集まで、30時間以上、Jリーグ担当審判員の皆さまを追わせて頂きました。嫌な顔せずご協力頂き、本当にありがとうございました。当初はDVDに入りきらなかった映像をYouTubeで未収録映像として出す予定だったのですが、色々とありまして、ほとんどがお蔵入りとなってしまいました(苦笑)それだけが残念で仕方ないです。

現在、コロナウイルスの猛威を受け、自宅での時間が続いていると思います。が、ポジティブに考え、生まれた時間もあるということで、この機会にDVD『審判』はもちろん、家本さんにも関わって頂いた私の著書をご覧頂ければ幸いです(笑)。

最期に、このJリーグ中断期間中に、DVDをリリースしようと考えておりますので、ご興味のある方はTwitterや『週刊審判批評』をフォロー頂ければ幸いです。

家本政明
撮影:浅野里美

■受賞コメント
家本政明
(プロフェッショナル・レフェリー)

この度は、栄えある「観客賞」を頂戴いたしましたこと、心から嬉しく、また光栄に思います。そして、映画祭で、参加者の皆さまとお話することができたことはこの上ない喜びでした。本当にありがとうございました。
この作品は、普段スポットが当たらない我々審判員の有様や人間模様が映し出された、とても意義深い作品だと思います。

プロの試合は、スタジアムという日常とは異なる空間で、2チームの選手の方とそれぞれのチームを応援されるお客さん、試合自体を楽しみに来られるお客さんを中心に、試合運営に関わる方等、本当に多くの方の熱意と感情が複雑に絡み合うことで予測不能なドラマが生み出される一大イベントです。我々審判員は試合においては「脇役」でしかありませんが、担当するどの試合においても「もっと楽しく、もっと魅力的になってほしい」という思いで、日々の準備のもと毎試合全力を尽くしておりますが、その思いや努力がこの作品を通じて皆さまに少しでも伝わったのであれば、大変嬉しく思います。

これからも、この「観客賞」という栄えある賞に恥じることがないよう、またこの賞の意味や選んでくださった方々の思いを理解した上で審判員と協力しあい、選手だけでなく、選手を応援される方、試合を見られる方、試合を支える運営関係者の方、メディアの方が、もっともっとサッカーの試合を楽しんでいただけるよう、サッカーの試合の価値が高まるよう、誠意と情熱を持って審判活動に取り組んで参ります。

この度は本当にありがとうございました。

■講評

  審判のトレーニングやテストは見たことがなかったので、新しい発見でした。試合を見たら審判に注目してしまうと思う。審判に興味を持つ良い入り口になる作品だと思います。

小池  選手目線で見てしまった。ある程度は知っていると思っていたが、トレーニングをしているシーンやハーフタイムの会話は、映画で初めて見た光景です。新鮮に感じました。

永岡  自分が選手をやっていることもあり、審判の内部事情や、試験や実技などを経て審判になっているという事実を知れてよかったです。サッカーはチーム同士の戦いですが、もう一つ、”審判団”というチームも存在しているということがわかった。審判のコミュケーションの細部まで見ることが出来て、とても勉強になりました。

上映作品

『ソーシャルフットボール イタリアからの挑戦』
Crazy for Football
『わが青春のイレブン』

■講評

永岡  映画としてはドキュメンタリー実録。身近な存在で見やすかったです。チームが大会に行くまでを追ったもので、どういうふうに海外で(競技が)広げられているのかを知れたのは良かったです。勉強になりました。

  「みんな少しずつ諦めながら生きている」とか、さまざまな言葉が飛び交うなかで、一緒にチームでサッカーすることの意味を考えながら見ました。人それぞれさまざまなサッカーがあるなかで、チームやスポーツが持つ意味を見せてもらえた作品だと思っています。

宇都宮  聞いただけではわからないソーシャルフットボールの実情がクリアになりました。

障害者の在り方が国によっても違う点が描かれていて大変興味深かったです。日本の大会関係者のホスピタリティの高さを見て、自分が日本人であることが嬉しくなりました。

■講評

宇都宮  映画が公開された1979年は、日本サッカーは冬の時代。サッカーはラグビーよりも人気がないという時期でした。この年にワールドユース選手権が日本で開催され世界を意識するようになった一方で、”見る”サッカーと部活のサッカーに違いがありました。若い頃の永島敏行や川崎麻世の演技など、ストーリー以外の要素でも楽しめる作品です。

村井  私がサッカーに励んでいた頃は、こんな時代だったのかなと思いながら見ていました。今振り返ると、確かにパワハラ、セクハラ、コンプライアンスといった基準はたしかに何もなかったように思います。現在とのギャップやスポーツ界の変化を感じながらみると面白いのではないでしょうか。

映画祭に参加して

宇都宮徹壱

写真家・ノンフィクションライター

今回はヨーロッパの作品が多めな映画祭でした。作品を見る機会をいただけて感謝しています。

今回の上映作品のなかに40年前に日本で作られた『わが青春のイレブン』という映画がありました。現在のサッカーとは、まったく異なる価値観の作品。日本サッカーの歴史を感じながら、別の過去の映像も見てみたいです。

小池純輝

プロサッカー選手 東京ヴェルディ所属  F-connect代表  日本プロサッカー選手会 副会長

映画祭を通じて、新しい映画の見方を知りました。

ちょうどキャンプなどと重なってしまう時期ではありますが、来年もタイミングが合えば参加したいです。

永岡真理

永岡真理

電動車椅子サッカー日本代表 マルハン所属

今回はサッカーをテーマにして9本の映画を見ました。

チーム、審判、サポーターなど、さまざまな角度からサッカー映画を見るのは凄く良いことだと思いました。

堀 春菜

俳優

サッカーのプロフェッショナルに囲まれて審査員を任されることに、当初は不安もありました。背景知識を学びながら皆さんとお話させていただき、新しい映画の見方が出来たように思います。

貴重な機会になりました。また映画祭にも足を運びたいと思います。

村井 満

公益社団法人日本プロサッカーリーグ チェアマン

映画祭に足を運んだ後で、個人的に映画を見直しました。

来場されていた皆さんと楽しくコミュニケーションを取りながら見る映画と、情報を調べながらじっくり楽しむ映画。異なる魅力があることを感じさせられました。選手名などをきちんと調べながら映画を見ると、見落としに気づいたり、思わぬ発見があって面白かったです。

これまでの受賞リスト

2011年

最優秀作品賞

『エリックを探して』

最優秀監督賞

エミール・クストリッツア、ディエゴ・マラドーナ 
『マラドーナ』

最優秀サポーター賞

AC長野サポーター・松本山雅サポーター 
『クラシコ』

最優秀プレイヤー賞

ろう者女子サッカー日本代表チーム
『アイ・コンタクト もう1つのなでしこジャパン』

審査員特別賞

『くたばれ!ユナイテッド -サッカー万歳!-』

2012年

最優秀プレイヤー賞

鄭大世
『TESE』

特別功労賞

『Jリーグを100倍楽しく見る方法!! 』

2013年

最優秀作品賞

『ユナイテッド -ミュンヘンの悲劇』

最優秀監督賞

コンラート・コッホ 
『コッホ先生と僕らの革命』

最優秀プレイヤー賞

エレーノ・ヂ・フレイタス
『エレーノ』

特別賞

『名探偵コナン 11人目のストライカー』

2014年

最優秀作品賞

『ソカ・アフリカ -欧州移籍の夢と現実-』

ベストマッチ賞

BSVアル・デルシムスポル対イラン女子代表チーム
『フットボールアンダーカバー -女子サッカー・イスラム遠征記』

最優秀監督賞

ジョージ・ドライヤー 
『スマイル・アゲイン』

最優秀チーム賞

東ティモール少年サッカーチーム 
『裸足の夢』

2015年

最優秀作品賞

『ガンバレとかうるせぇ』

審査員特別賞

『ユルネバ~キミはひとりじゃない~』

最優秀チーム賞

アメリカ領サモア代表チーム 
『ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム0対31からの挑戦』

最優秀プレイヤー賞

リオネル・メッシ 
『メッシ』

観客賞

『ユルネバ~キミはひとりじゃない~』

2016年

観客賞

『ディーマンシャフト』

2017年

観客賞

『MARCH』

2018年

観客賞

『ジョホールバル1997』

2019年

観客賞

『ドーハ1993+』